続、夏合宿

台風の影響で、雨風もあったが、
体育館上空に、時折、綺麗な青空が広がる、不規則な天気だった。

この金町の合宿だが、毎回、地元の小中学生チームも集まる
大勢で行う合宿で、当たり前だが、子供達同士も初対面だったり、
上級生達同士だと1年ぶりだったりが、一緒にやる合宿。

ペアを組む時も、違うチームの子供同士で、交流が早く出来るようにする。
子供同士だから、打ち解けるのは時間の問題(^^;;;
だが、中心に成るのは金町の子供達。
練習内容や、やり方など金町の子供達が、他のチーム子供達に教える。

監督の主旨から外れた練習をしてると、集合が掛かり、再度説明。
それを、繰り返したりすると、金町の子供達が叱られる。
「何で、ちゃんと教えて上げないの」
時間が経つにつれ、練習内容も濃くなる。
だが、さっきと同じで、他の子供達にちゃんと説明や伝達が出来ていないと
叱られのは、金町の子供達(^^;;;

監督の言う事を理解し、それを他の大人では無く、
子供に理解して貰える様、説明をする。高度な事をしてるんだ、奴らは。
中高の子供達でも、殆ど出来ないと思う。
普段、どれだけ内容を理解し練習してるかが試されてる。

真剣にやろう、一生懸命にやろう。
これ、金町の子供達は普段から言われ、実際にやってるが、
ここに集まって来る他の子供達はそうでは無い。

さて、ここで自分の周りにあった環境の縮図を見る事に・・・。
部活にいる子達でも、同じ様な環境に成る事が・・・。
一生懸命にやる子、やらない子。真剣にやる子、やらない子。
キャプテンは、それらを纏めて行く。
叱ると、反発を受けたりね、色々な問題を生じる。
で、先生にもお前が纏めてないとか、レギュラー陣は叱られる。
いわゆる、子供達間での温度差って言う奴が、ここでは簡易発生する。
小学生達もホント沢山の個性を持った子供の集まりで、
人の話を聞かない子、集中出来ない子、もしくは持続出来ない子、
遊んじゃう子、適当にやる子等々ね、一部ですが、最初はそう言う子がいる。

だが、金町の子供達をお手本にする子が、1人、2人と出てくると、
それが、いつの間にか体育館中の子供達に伝わっている。
あれは、不思議な光景だ。みんなの目が、いつの間にか変わってる。
勿論、スタッフ達もそれを促してる。
それまで、体育館の中に、勝手に動いてる色々な歯車が、
一つ、大きな歯車と成って、音を立ててガンガンと回り始める。
その音ってなあ～～だ？

靴のこすれる音とか、体育館では色々な音がするけどね、
ここでの音とは、正確に言うと声。
子供達が子供達を励ます「ガンバレーガンバレー！」と言う声。
「行けー！」とかもそうだね、で、練習終わると周りの子供達が
誰彼無く集まって来てハイタッチ。練習終わりの子は疲れてるんだけど(^^;;;

さっきまでの光景と、メンバー同じなのに全く違う光景を見る、61歳の親父。
何と言うか、この時、色々な事が頭に浮かんじゃう。
それこそ、バレーとは関係の無い事で、自分の一生懸命ってを考えちゃったり、
先日、全国大会の試合に負けて、泣いていた子供達の姿とかを、
今、目の前にいる子供達が何で負けちゃったんだろう。
みんな、頑張ってる、日本一頑張ってるだろうに・・・。
それでも再び、もう一回と立ち上がっていく瞬間を見るとね、声が出ちゃうんだ。

「ガンバレー！」

周りの大人達が、子供出来る唯一の事。それが応援。
いや～～、凄いんだ、この頑張りが。
勿論、ライバルチームだって頑張ってるのだろうが、
何とか、この頑張りに報いる何かを掴んで欲しいと願っちゃうんだね。

一生懸命って何？

100人近い子供達がいて、能力も経験もまばら。
でも、最後には、みんな一生懸命。

監督やコーチ達は言う。
「上手にやるとか、上手に出来た事が一生懸命では無い」
今、自分が出来る目一杯をやろうとしてみる勇気、
それをやって見る事、それが一生懸命、決して上手い下手じゃ無いよ」

それをサポートする練習方法を、ずっと教えて行く。
今まで上手く出来なかった事が、その練習をやってみたら上手に出来た。
子供達が、バレーを好きに成ってくれる為にの練習。
この合宿に参加して、良かったなと思う瞬間です。

もう一つ、印象深かったのは、卒業生である高校3年の2人。
数年前、同じ事を経験した。
そこから、違う指導を受けて数年、再び、同じ指導者の話を聞く、
それこそ、オレなんかが話をするのでは無く、
あの2人に、ミーティングで話をさせてやった方が良いと思うね。
口べただったら、質問形式でも良いから、同い年の時どう感じていたか、
そして、今はどう感じてるいるか。
生の声を子供達に聞かせて上げるのは如何でしょうか？